2019年9月の記事一覧
(校長室より) 「授業動画」(9/27)
先日、「Find!アクティブラーナー」という、webページのことを書きました。このページでは会員になると2000以上の授業、講義、講演をみることができます。この動画は、保護者や教員等教育に関係する社会人用のものと考えられますが、児童生徒用授業動画はさらに進んでいます。
9月27付読売新聞に、「授業動画で受験勉強」という記事が掲載されました。記事によれば、学校外の勉強などで、スマートフォンのアプリやインターネットを利用した民間の学習サービスが広がってきているとのことです。都合のいい時間に授業の配信動画を繰り返し見たり、講師にオンラインで遠隔指導を受けたり、スタイルは様々です。記事では徳島県の私立高校に通っていた高校生が、今春早稲田大学政治経済学部に合格した事例が掲載されているので紹介します。
「受験勉強で頼りにしたのは、教育アプリの【スタディサプリ】だ。月額980円(税別)で5教科18科目の授業動画計約4万本(1本15分程度)が見放題になる。(中略)現代文や英語、日本史の授業動画を繰り返し見ることで「基礎固め」ができ、高校で受ける模試で自分の課題を見つけた。『わからないところは何度も授業動画で確認した。有名講師による授業はポイントが押さえられ、理解しやすかった。』(中略)この教育アプリは、大学受験生のほか、小中学生や社会人向けの授業動画もあり、全体の有料会員(昨年度)は約84万人に上る。」
予備校の衛星中継による授業や授業動画は以前からありましたが、このように自分の学力や目的に合わせて、様々な授業動画がみられるこのサービスはこれからも増加していくと考えられます。個々の進度に応じた学習を効率的にできる利点はありますが、児童生徒の自己管理能力も問われることになります。
こうした個々に合わせた講義形式の授業を児童生徒がみられるようになると、学校の授業はどうしたらよいでしょうか。答えはすでにでています。知識をインプットするだけではなく、その知識をどう使うのか、どのようにアウトプットするのか、書いたり話したり議論したり、能動的な活動を取り入れて、講義だけでは得られない思考力・判断力・表現力、あるいは主体性をもって、多様な人々と協働できる能力を身につけることができる、そんな授業が必要となります。