2020年10月の記事一覧

(校長室より)  「白石康次郎さん 海洋冒険家」(10/27)

10月24付朝日新聞フロントランナーのコーナーに、海洋冒険家の白石康次郎さんがとりあげられました。白石さんは、少年時代に船で海を渡る、という夢を抱き、神奈川県立三崎水産高等学校(現、海洋科学高等学校)に入学します。在学中に第1回単独世界1周レースで、日本人の多田雄幸さんが優勝したニュースを見て感動し、自分もヨットで世界1周をしたいと思いました。その後、多田さんに弟子入りをし、レースをサポートしながら修行を積み、無補給の世界一周に挑戦するも2度連続失敗、26歳になった1994年、3度目の挑戦を176日間で成功させました。当時の史上最年少記録でした。

2016年、どこにも立ち寄らず地球を1周する、最も過酷とされる4年に一度のヨットレース「ヴァンデ・グローブ」に初挑戦しました。だがフランス西部を出て1カ月後、南アフリカ沖でマストが折れて途中棄権。1.7億円で購入した中古船の老朽化が原因だったそうです。

「夜中に突然、計器が全部ゼロになって。外に出たら・・・・。涙が枯れ果てるまで泣きました。」ただ夢にみた舞台から転げ落ちても、下は向かない。「またやる。すぐ決めた。俺はあきらめないよ。なぜ? やりたいから。」

白石さんは現在53歳です。来月11月8日、このレースに再挑戦します。「レースは連続2千時間。何が起こるかわからない。命が懸かってるから、最高に面白いよ。生きてる実感がある。」「先が見えないから楽しいんだよ。あなたの一生はこうです、なんて嫌だ。好きなことをやらないと生まれてきた意味がない。」

この特集の最後に白石さんはこう述べています。「人間の最強の力は好きなことをやること。笑顔で幸せになれる。『好きなことばかりやってちゃダメ』なんて言っている大人の顔を見て下さい。だいたい、つまらなそうな顔をしてますから。」

一生をかけて好きなことに挑戦する白石さんのメッセージは、我々大人にも響いてきます。高校生のみなさんも、一生かけて挑戦し続けることができる、自分の好きなことを見つけてほしいと思います。

(校長室より)  「キャンプ芸人 ヒロシさん」(10/23)

10月21付朝日新聞のBSテレビ紹介欄に、「ヒロシのぼっちキャンプ Season2」という番組が掲載されました。記事によれば、この番組は2018年に15分番組として放送され人気を博し、今回は1時間(回によっては30分)に枠を拡大して再スタートするようです。この番組の伊藤プロデューサーは、こう述べています。

「キャンプのノウハウを提示するのではなく、ヒロシさんが自分の時間を自分で満たす姿をドキュメンタリータッチで描きたかった」「これが好き、これが嫌いと自分本位で決めていくヒロシさんの姿を通じて、『自由にいきましょうよ』というメッセージが伝われば」

 

ヒロシさんは、2003~2004年、芸人として成功し、最高月収は月4千万円だったそうです。売れる前は風呂なしのアパート(家賃3万円)に住んでいましたが、売れた後、家賃48万円の大きな家に引っ越し、外車ジャガーを手に入れました。成功してわかったことは、自分の時間がない、自分にとってこれらのお金、でかい家、外車等は必要ない、自分の時間を自分の好きなことに費やしたい、という思いでした。

ソロキャンプは、趣味で始めたそうです。ブームが来る前に始めた動画作成サイトyoutube“ヒロシちゃんねる”も、スマートフォンで好き勝手に作ったそうで、これほどブームなるとは想像していなかったようです。

ヒロシさんが、楽しそうにキャンプをやっている姿をみると、自分まで楽しい気持ちになります。彼は、このようにテレビで放映されるキャンプを「ビジネスキャンプ」といいます。好きで始めたキャンプが、仕事になっていることはうらやましい限りですが、大事なことは、好きで始めたことや夢中になれることは、長く続けることができる、仕事になるかならないかは別として、自分の好きなことを自分流に楽しむこと、それらの大切さをヒロシさんは教えてくれます。

(校長室より)  「メモワール(記憶、思い出)」(10/13)

先週、「モーニングノート」について記述しましたが、今回は「メモワール」について書きます。これは先に紹介した著書「いくつになっても【ずっとやりたかったこと】をやりなさい」ジュリア・キャメロン著(サンマーク出版)で推奨されていた4つのツールがありましたが、そのうちの④になります。(①モーニングノートを書く、②週1回、楽しいことを探すために新鮮な体験をする、③週2回、何も持たずウォーキングをする、④週1回、自分自身の過去について振り返ってみる)

みなさんは、過去を振り返ったことがあるでしょうか。日々の生活に追われていると、過去を振り返る時間を作ることは、なかなか難しいことだと思います。この本では、年齢を12分割して考えることを推奨していますが、高校生の場合は3年おきくらいがちょうどいいのではないかと思います。そして、その期間がどうだったかを思い出す、どこに住んでいたか? どんな音を聞いていたか? 印象的だった匂いは? その時誰をなつかしく思うか? その時好きだった人は? 助けてくれた友達は? あの時やった遊びは? 夢中だったことは? 何に挑戦していたか? そして自分自身の過去について敬意をもって振り返る、自分自身の人生を誇らしく思う、こんなにも愛されてきた、こんなにもがんばってきた、意味のある面白い時間を過ごしてきた、そうしたことを振り返っていると、今の自分が何をしたいかが見えてくると著者は述べています。もしかすると新しい自分を発見できるかもしれません。

 このことは、高校生だけでなく、我々大人も、時々自分自身の過去を振り返ってみることが大切だと思います。

(校長室より)  「モーニングノート」(10/5)

みなさんは、日記というものをつけたことがあるでしょうか。私も昔、毎日食べたものを記録したり、運動内容を記録したりしたことがありますが、長くは続きませんでした。そして、先週から、「モーニングノート」というものを書き始めました。これは、「日記」とは別のものです。

「いくつになっても【ずっとやりたかったこと】をやりなさい」ジュリアキャメロン著(サンマーク出版)という本を読みました。この本には4つのツールが示してあり、①モーニングノートを書く、②週1回、楽しいことを探すために新鮮な体験をする、③週2回、何も持たずウォーキングをする、④週1回、自分自身の過去について敬意をもって振り返ってみる、ということを推奨しています。この中の①を、私もやってみました。

日記というと、その日の出来事を記録する、といった内容になりがちですが、この「モーニングノート」は、毎朝A4のノートに手書きで書く、というルールがあります。1日は始まっていないので、とにかく考えたことを何でも書いてみる、ということです。今日何をするか、何をしたいか、本当にやりたいことをやっているか等々です。自分に対して正直に考えたことを記述していきます。あくまで自分自身を見つめるために書くので、誰にも見せる必要はありません。自分に正直に、自分の考えを記述するだけです。

 

 今年の高校3年生は、10月16日から就職試験が始まります。大学や専門学校のAO入試や推薦入試はすでに始まっています。将来の進路が着々と決定していくと思われますが、みなさんの本当にやりたいことは何でしょうか。このことは、高校生だけでなく、我々大人も、時々自分自身を振り返って考えてみることが大切だと思います。