2019年7月の記事一覧

(校長室より)  「7つの習慣」(7/30)

今回は、本の紹介をします。タイトルは「7つの習慣」(ティーンズ)、ショーン・コビー著作です。この本の元になっているものは、スティーブン・R・コビー氏の著作「7つの習慣」で、全世界で販売部数3000万部を記録した本であり、20世紀に最も影響を与えたビジネス書の1位に輝いています。これは、そのビジネス書を、中学生~高校生向けにわかりやすくしたもので、「7つの習慣」を様々な生活シーンの中で取り入れることで、将来に向けた正しい「選択」ができるように書かれたものです。
7つの習慣とは、①主体的になる、②終わりを考えてから始める、③一番大切なことを優先する、④Win-Winを考える、⑤まず相手を理解してから、次に理解される、⑥シナジーを創り出す(チームで協働して結果を出す)、⑦自分を磨く、となります。これら一つ一つについて、自分、親、友達、学校の先生等、それぞれと関わる場面を具体的にふれながら説明がなされます。今回は、この本で指摘されている2つの視点を紹介します。
1つ目は、自己信頼口座(残高)という視点です。これは、第1の習慣に入る前に、私的成功を勝ちとる方法として紹介されています。自分自身を信頼するために何をすればいいのでしょうか。①自分に約束したことを守る、②小さな親切をする、③自分に優しくなる、④正直になる、⑤自分を再新再生する(自らをリフレッシュし、生まれ変わらせる)、⑥自分の才能を開発する、これらを実行すれば自分自身への信頼残高を増やすことができます。ちなみにこの残高を減らす行為は、自分に約束したことを破る、内にこもる、自分を痛めつける、嘘をつく、自分をすり減らす、自分の才能をないがしろにする、となります。
2つ目は、人間関係信頼口座(残高)という視点です。これは、第4の習慣に入る前に、公的成功を勝ち取る方法として紹介されています。他人からの信頼を得るために何をすればいいのでしょうか。①約束を守る、②小さな親切、③誠実、④人の話に耳を傾ける、⑤謝る、⑥見通しをはっきりさせる、これらを積み重ねれば、信頼を得ることができます。他人からの信頼を失う行為は、約束を破る、人と関わらない、うわさ話と裏切り、人の話をきかない、横柄な態度をとる、物事をうやむやにする、となります。
多くの中学生、高校生に本書を読んでほしいと思います。

(校長室より)  「主体的に生きる」(7/23)

7月19日(金)1学期終業式にて、私から2点ほど生徒に話をしました。
1つめは、命と時間の話です。私は、本年1月、前任校に勤務していましたが、ある朝、小学部の児童が自宅で亡くなりました。朝、お母さんが気づいた時にはすでに亡くなっていたそうです。彼女は障害をもっていましたが、1~2学期はほとんど休まず元気に学校に登校していました。学校が大好きでした。彼女の人生は11年間でした。時間にすると約10万時間です。みなさんがもっている命(時間)は、あと何時間ありますか? たとえば、明日、命を失うと仮定すると、残りの人生はあと24時間程度です。30日後に命を失うと仮定すると、720時間ありますが、3分の1は寝ていますからあと480時間程度です。平均寿命というのがありますが、あくまで平均なので、みなさんがもっている残りの時間は誰にもわかりません。そして死ぬまでの時間は確実に減っていきます。時間を無駄に過ごすことは、命を無駄にすることと同じです。3年生は進路実現のため、夏休み39日間、1日1日が重要な時間となりますが、同様に1・2年生にとっても時間(命)を大切に使ってほしいと思います。
2つ目は、主体的に生きてほしいということです。この言葉は言い換えると、自分の道は自分で決めて生きる、ということです。あなたの未来は、誰が決めるのでしょうか。友達、両親、学校の先生でしょうか。自分の進むべき方向が明確でないと、まわりの人と同じような選択をすることが多くなります。まわりの人が正しい行き先を知っているのでしょうか? 先のことなんて、誰にもわかりません。人と同じことをやっても、あなたに合う保証はありません。20歳のとき、30歳のとき、どんな未来が待っているかなんて、誰にもわからない。だから、どの道が自分にとって一番いいか、自分で判断して、自分の道を決めてほしい。もし決まっていなければ、この夏、徹底的に考えてください。残された時間は限られています。残された時間は、確実に減っていきます。限られた命、限られた時間を大切にして、自分の進むべき道を考えてほしいと思います。

「教える」を学ぶ(7/8)

7月1日(月)に太田市立休泊小学校における、生物生産科の「草花栽培交流」が行われました。またグリーンサイエンス科は学校付近の幼稚園のこどもたちと、6月のジャガイモほり、11月のサツマイモほりが予定されています。他にも食品科学科のパン作りなど、太田市内の中学校、館林特別支援学校、太田高等特別支援学校との交流も予定されています。
このような交流は、本校の生徒が普段学んでいる知識・技術をどのように伝えるか、ということを主眼としており、資材の準備や会場設営、司会進行、技術支援等を生徒が主体となって行っています。
6月23日付朝日新聞の教育欄「いま子どもたちは」のコーナーで、高校生「教える」を学ぶ、と題して特集が掲載されています。京都市立塔南高校の2007年にできた教育みらい科の生徒は、近隣の小学校を訪ねて授業を行うそうです。ある生徒はこんな感想を述べています。「自分がよく知っていることでも、知らない人に教えるのは本当に難しい。授業本番までにいろんなことを学んで工夫しないと」
アメリカ国立訓練研究所の研究によれば、平均学習定着率がラーニングピラミッドに表現されています。これによれば、講義を受ける5%、読む10%、視聴する20%、実演してもらう30%、議論する50%、自分で体験する75%、他人に教える90%、となります。他人に教えることは、学んだことを定着させる最高の方法となります。
 本校生徒も、本校で学んだ知識・技術を他者に教えることを通じて、知識・技術を定着させると同時に、自分たちで協働して考える力を身につけてほしいと思います。

(参考、ラーニングピラミッド)