2019年11月の記事一覧

(校長室より)  武井壮(11/25)

 百獣の王、武井壮氏に注目しています。武井氏はTVタレントとして活躍していますが、その経歴や発言は、様々なメディアにとりあげられ、誰もが武井氏を認め、そして他の人に勇気を与える存在になっています。
武井氏は、中学で野球、高校でボクシングに取り組んでいましたが、大学時代に短距離走を始め、大学3年次に十種競技に転向します。大学卒業後、第81回日本陸上競技選手権大会十種競技において優勝します。100m走ベスト記録の10秒54は、2015年まで十種競技・100mの日本最高記録でした。
 卒業後は陸上をやめ、プロゴルファーやプロ野球選手を目指しましたが、2003年(30歳)のころから芸能活動を始めました。当初はタレントとしてなかなか売れず、2004年から2013年まで家なし生活をしていました。武井氏は、売れているタレントや芸人さんは何故面白く、たくさんの仕事に恵まれているのかを、その話術や生活態度等を中心に一生懸命に研究したそうです。

 11月20日付毎日新聞の赤坂電視台の欄に、武井壮氏の発言が掲載されていますので一部紹介します。
「毎日3時間、自分自身をアップデートしています。体力トレーニング1時間、知らないことの勉強1時間、楽器やゲームなど未経験の技術習得1時間が日課で、忙しくても必ず続けています。その理由は、昨日テレビに写った自分はもう消費された自分。それと同じ体力と知識と能力のまま、翌日カメラの前に立つのが嫌なんです。少しでも成長した自分をお見せすることが、視聴者の皆さん、スタッフ、番組関係者など、今の僕に大きな価値を与えてくれている方々への恩返しだと思っています。」
 武井氏は、SNSでこんなことも言っています。
「オレは鍛えるのが好きなんじゃなくて成長するのが好きなんだ。その手段として鍛えるってのがひとつあるからやる。それ以外も成長できるならなんでもやってやる。成長は1番の娯楽だ。」「誰かに楽しんでもらわなきゃ価値がないと気付いてから少しずつ成長できたと思う。」
 武井氏の言葉は、多くの人を勇気づけます。

(校長室より)  ヨーヨーで世界つかむ(11/20)

 11月18日付日本経済新聞の「先輩に聞く」欄に、ヨーヨーパフォーマーのBLACKさんが紹介されました。BLACKさんは、世界的サーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」への出演を志し、会社員の職をなげうって日本を飛び出しました。ヨーヨーとカタカナ英語を武器に夢を実現し、その活躍ぶりは2020年から始まる小学生向け英語教科書で「世界に活躍する日本人」として紹介されています。
 BLACKさんは、青山学院大学在学中にヨーヨーの世界チャンピオンになります。大学卒業後、システムエンジニアとして就職しましたが、毎日終電で帰るような仕事で、肉体的にも精神的にもつらい日々が続いたそうです。なんとかこの状態から抜け出し、自分に自信を与えてくれた、ヨーヨーによるパフォーマーへの夢を捨てきれず退社し、シルク・ドゥ・ソレイユのオーディションを受けます。26歳からバレエを始め、体を滑らかに動かす技術を習得することで、芸術性の向上に努め、無事にオーディションに合格します。
 BLACKさんは、中学生の時にヨーヨーと出会い、練習すれば上達するということがとても嬉しく、学校が終わるとすぐに家に帰り、壁を傷だらけにして1日6~8時間練習に没頭したそうです。BLACKさんは夢中になれるものを中学生の時に発見し、紆余曲折はありながらも、それを現在の仕事にすることに成功しました。

 この記事は最後にこのように述べています。
「チャンスはたまにしか訪れず、待っている時間のほうが断然長い。人生が前に進まず止まってしまっているように感じることもある。それでも自分は何に幸せを感じるか。どんな日々を過ごしたいのか、ということを明確にイメージできれば、周りから愚かな選択だと言われようとも、人生の選択に迷わないはずだ。」

(校長室より)  読書の意義(11/8)

11月4日付日本経済新聞に、文字・活字文化のありかたを考えるシンポジウム「スポーツが開くことばの世界」についての記事が掲載されました。10月3日に開催されたこのシンポジウムには、元陸上選手の為末大氏、作家の堂場瞬一氏、慶応義塾大学教授の今井むつみ氏がスポーツと読書の関係について話しています。その中で、読書の意義について、このように述べています。
今井氏「読書を介して、書いてあったことを覚えている必要はありません。昔読んだ本で、わくわくした感じは覚えている。知識が豊かになることが一番ではなくて、やはり過程が大事なのかなと。結果として一人ではできないような物の見方ができて世界が広がる。そこが大きいと思います。」
為末氏「僕は、高校、大学、会社まで陸上で入りました。ほかの教科はひどかったですが、国語はすごく好きでした。結局、考えることは全部読書でやったような気がするんです。(中略)大量の考えが書かれた本を読むことで多面的な主観を持つことができ、それが擬似的な客観になっているのではないでしょうか。」 
堂場氏「僕は共感できない人が出てくる本が好きです。それは自分が知らないものを教えてくれるから。嫌なやつだけどこういう見方もあるんだなだとか、何でこんな嫌なことをしたのだろうかと行動の心理を読むとか、【非共感】の部分を経験できるのが読書じゃないかと思います。」
読書は、スポーツ選手に限らず、各個人が持っている世界を広げる力があると思います。
そして読書は知識のインプットになりますが、この知識や感動をアウトプットする方法があります。それが「ビブリオバトル」です。10月26日に群馬県内の高校生によるビブリオバトル大会が、群馬県立図書館にて開催されました。1人5分の持ち時間で本を自由に紹介した後、来場者からの質疑に答え、来場者が一番読みたくなった本に投票するというものです。本校からも2名参加しました。2人とも明るい笑顔で選んだ本の魅力を、身ぶり手ぶりを交えて伝えることができました。あなたもこのビブリオバトルにチャレンジしませんか。