2020年2月の記事一覧

(校長室より)  「違う」から友達になる(2/7)

 2月3日付上毛新聞のU22投稿欄に、ヴー・フォン・タオ(22才)さんの上記タイトルの文章が掲載されています。彼は2016年~日本に留学し、大学に通っています。日本で異文化に触れることは楽しいのでは、と思う人がいるかもしれませんが、彼の場合は出会った人の考え方、価値観をつい真似してしまい、自分の価値観を忘れてしまいそうになることもあったそうです。そして日本人と同じように生きて、ストレスがたまり、それが苦痛になりました。彼は、このように述べています。
「だから、ある時、その考えを捨て、自分なりに生きることにした。すると、だんだん自信が持てるようになり、多くの人の前でも自分の考えを伝えるようになった。自分を出すことで、友達が少なくなってしまうかもしれない、と不安だったが、そうではなかった。自分なりに生きることで、本当の友達ができたと思っている。」
 先日、フレディみか子氏の作品、「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」を読みました。彼女の中学生の息子さんを主人公にして、英国南部のブライトンという町の、多様な人種や格差のある生徒が集まる中学校での生活を描いたものです。様々な価値観をもつ生徒の中で、息子さんが孤軍奮闘して成長する姿が描かれています。様々な人種や多様な価値観のある人々と、学校生活をともにするのは、決して楽なことではありませんが、彼は自らの意志でその生活に飛び込んでいきます。
 これからの時代は、多様な人々と協働できる能力が必要です。子どもたちは、ヴー・フォン・タオさんや、ブライトンで頑張っている中学生のように、文化や価値観の違う人々と出会い、自分を成長させてほしいと思います。