2019年6月の記事一覧
(校長室より) 「自己教育力」(6/3)
現在本校では、教育目標や教育課程の編成についての基本的な方針を、地域の方々や保護者と共有するために、グランドデザイン(教育目標や育成を目指す資質・能力など学校教育活動全般の構想を示したもの)の策定を検討しています。その中で、生徒に身につけさせたい資質・能力のひとつに、「自己教育力(学び続ける力)」というものをとりあげたいと考えています。
近年様々な著作やメディアでの発言で話題を呼んでいるメディア・アーティスト落合陽一氏は『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』という著書の中で、こんなことを述べています。
「学び続ける上で大切なのは、【自分は何かを知らない】ことを常に理解することです。今、自分が知っていることは絶対ではなく、他の人のほうが 正しいことを言っているかもしれない、という前提に立って思考することです。自分の専門も含めて、どの分野に対しても【自分は何かを知らない】【だから、もっと学ぼう】という意識を持ち続けることです。(中略)
自分が正しいと思っていることは、次の日には変わっているかもしれないという意識も大事です。時代が変われば平衡点は変わる。格差社会といわれますが、ゲームの変化点にチャンスはつきものです。(中略)自分の基準をもって、考えはその時代にあっているか、自分のやっていることはこれからの時代に求められているかを考え見極めるということです。」
予測が困難なこれからの時代に求められる教育について、新たな発想を生み出す力、課題を発見し解決する力、困難な状況を乗り越える力は、知識を学ぶだけでは身につきません。生徒自身が、主体的に学び続け、自分たちで答えをみつけていく、こうした自己教育力が、自分の生きがいになり、地域社会の発展に寄与することにつながります。生徒は、自己教育力(学び続ける力)を身につけてほしいと思います。