2019年11月の記事一覧

(校長室より)  読書の意義(11/8)

11月4日付日本経済新聞に、文字・活字文化のありかたを考えるシンポジウム「スポーツが開くことばの世界」についての記事が掲載されました。10月3日に開催されたこのシンポジウムには、元陸上選手の為末大氏、作家の堂場瞬一氏、慶応義塾大学教授の今井むつみ氏がスポーツと読書の関係について話しています。その中で、読書の意義について、このように述べています。
今井氏「読書を介して、書いてあったことを覚えている必要はありません。昔読んだ本で、わくわくした感じは覚えている。知識が豊かになることが一番ではなくて、やはり過程が大事なのかなと。結果として一人ではできないような物の見方ができて世界が広がる。そこが大きいと思います。」
為末氏「僕は、高校、大学、会社まで陸上で入りました。ほかの教科はひどかったですが、国語はすごく好きでした。結局、考えることは全部読書でやったような気がするんです。(中略)大量の考えが書かれた本を読むことで多面的な主観を持つことができ、それが擬似的な客観になっているのではないでしょうか。」 
堂場氏「僕は共感できない人が出てくる本が好きです。それは自分が知らないものを教えてくれるから。嫌なやつだけどこういう見方もあるんだなだとか、何でこんな嫌なことをしたのだろうかと行動の心理を読むとか、【非共感】の部分を経験できるのが読書じゃないかと思います。」
読書は、スポーツ選手に限らず、各個人が持っている世界を広げる力があると思います。
そして読書は知識のインプットになりますが、この知識や感動をアウトプットする方法があります。それが「ビブリオバトル」です。10月26日に群馬県内の高校生によるビブリオバトル大会が、群馬県立図書館にて開催されました。1人5分の持ち時間で本を自由に紹介した後、来場者からの質疑に答え、来場者が一番読みたくなった本に投票するというものです。本校からも2名参加しました。2人とも明るい笑顔で選んだ本の魅力を、身ぶり手ぶりを交えて伝えることができました。あなたもこのビブリオバトルにチャレンジしませんか。