2019年12月の記事一覧
(校長室より) 「ユーチューバー」(12/26)
「ユーチューバー」という職業?が子どもたちの間で人気職業ランキング上位にあがっています。有名なユーチューバーになると、その広告料で相当の収入が得られるようです。さまざまなジャンルのユーチューバーが存在しますが、12月24日付毎日新聞に、教員とも塾講師とも異なる“次世代の教育者”として注目されている「教育ユーチューバー」、葉一(はいち)さんが紹介されています。葉一さんは、ユーチューブで配信する授業動画がわかりやすいとして中高生を中心に多くの登録者(約76万人)を得ています。動画数は3206本(12/25現在)、開始から7年で動画の累計再生回数は2億回を突破しています。葉一さんは、記者の質問にこのように解答しています。
「自分が想定しているのは基礎を定着させたい子。それは、集中や継続が苦手だった中高生時代の自分だったり、塾でつまずいた子どもだったり、というイメージです。授業で【わかる】という成功体験を得ることが、【やる気】の第一歩だと思います。」「子どもの生活の中で大部分を占める時間は学校の授業です。それなのに【わからない】と思いながら過ごすのは苦痛です。(中略)【前はわからなかった問題が解けた】のも【授業中に手をあげられた】のも成功体験だと思います。【勉強を頑張って良かった】という小さな成功体験を積み重ねることが重要です。」葉一氏の動画授業は、15分以内でまとめられていて、とてもわかりやすく丁寧に作られています。
このような授業動画は、大手教育系企業も有料で発信しています。ある講座ガイドに登録すると、小中学校の復習から、難関大学受験対策まで、5教科18科目、1万5千本の授業動画をみることができます。私も高校の授業や、英検対策講座の授業を視聴してみましたが、とてもわかりやすく作られていて、予備校等で人気を得ている講師の実力をみることができました。苦手科目を学び直したり、高校受験や大学受験の勉強に利用したり、スマホでどこでも気軽に学習ができたり、という点でこのような授業動画は今後とも増加していくと考えられます。
このような授業動画の流行に対し、学校教育はどうあるべきか、今一度立ち止まって考える必要があります。