(校長室より)  「紙の教科書、知の基本」(1/15)

 「GIGAスクール構想」が、本県でも進んでいます。GIGAスクール構想とは、「児童生徒向けの一人一台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想」です(Global and Innovation Gateway for All)。本校においても今月末には校内Wifi(無線LAN)の工事が予定されています。その後、全校生徒及び全職員へノートPCが配布される予定です。ICT教育が本格始動します。

 

1月12日付読売新聞に、上記タイトルのインタビュー記事が掲載されました。回答者は、テレビにも出演している明治大学教授 齋藤孝氏です。齋藤氏は、教科書のデジタル化に対して、デジタルだけでは学力低下を招く、と紙の教科書を廃止することに反対しています。

「紙の教科書の利点には、学習のしやすさがあります。(中略)紙をめくりながら本を読むことが脳への刺激になるという研究もあります。」「暗記や記憶を軽視する風潮があります。しかし、記憶が創造性を阻害するという考えは、まったく間違っています。たとえば、法則や原則を知らずに、物理を語ることはできません。教科書の内容くらいは、きちんと記憶しているべきなのです。」

「デジタルの利点は、情報の更新が速く、大量の情報を補充できることです。教科書では1行、2行しか書かれていない事柄でも、デジタルで情報を検索すれば、知識欲を膨らませていくことができます。情報収集のツールとして、授業でどんどん活用すべきです。」

 齋藤氏は、一人一台のパソコンやタブレット端末の配備に、全面的に賛成しています。ただし完全に身につけるべき知識は、紙の教科書で学び、派生的な情報はデジタルで調べればよい、と述べています。

 3月末には、全ての県立学校、小中学校で、一人一台端末の配備がほぼ完了する予定です。今後、生徒や職員がどのようにノートPCやタブレット端末を活用していくのか、今から楽しみにしています。