(校長室より) 「よくもそんなことができる」(10/4)
9月23日、ニューヨークの国連本部で開催された気候行動サミットで、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16歳)が演説しました。その内容を一部紹介します。
「よく、そんなことができますね。あなたたちは実体のない言葉で、私の夢を、私の子ども時代を奪ったのです。生態系全体が崩壊しています。私たちは、まさに大量絶滅の始まりにさしかかっているのです。そして私たちが語り合うのは、お金や、途絶えることのない経済成長のおとぎ話だけ。」(中略)
「私たちは決してあなたたちを許しません。今ここで、一線を引きます。世界は目を覚まし始めています。変化も訪れ始めています。たとえあなたたちが気に入ろうとなかろうと。」
怒りに震えたこの5分間の演説は、このサミットに参加した人だけでなく、SNSをとおして、世界中の人々に伝わりました。16歳の彼女が、自分の意見を、世界にむけて発信したことに驚きを覚えました。誰もが自分の意見を発信することができますが、その内容が多くの人に伝わったという点で、大きなことを成し遂げたと思います。彼女の意見に対して、中身がない、勉強不足だ、という反論もありますが、彼女の意見に対して、大人は真摯に受け止めて議論しなければなりません。彼女はまだ成長途中です。彼女の将来が楽しみです。
『同調圧力』望月衣塑子他著(角川新書)を読みました。この国は同調圧力が強い、それが政府やマスコミの中に存在している、という内容です。この本のあとがきに、こんな言葉がのっています。「他人の期待に沿うための人生ではなく、自分がやりたいことをやっておけばよかった。」 自分の意見をもつことは重要です。他人や周囲の考え方に振り回されるばかりでは、自分の人生を主体的に生きることは困難です。自分のやりたいことは何なのか、自分の意見は何なのか、しっかり考えてほしいと思います。