(校長室より) 「イチロー選手」(9/12)
9月3日付、内外教育(時事通信社)のラウンジ欄に、イチロー選手のことが掲載されました。「野球の魅力とは?」という質問に、このように答えています。
「団体競技なんですけど、個人競技なんです。それが面白い。個人としても結果を残さないと生きていくことはできない。本来はチームとして勝っていけば、チームのクオリティは高い。でも決してそうではない。あとは同じ瞬間がないこと。必ずどの瞬間も違う。これは飽きが来ないですね。」
この回答を聞いて、筆者は、教職にもあてはまると感じたそうです。
「教職は学校という場を舞台とした組織専門職であると考えてきた。しかし、普段の教育活動は、教室を場とした個人の営みであるとも考えられる。(中略)同じ学年に同じ単元を教えても、教室で繰り広げられる状況に同じ瞬間はない。よい授業をしようと思えば、不断の相違工夫が求められ、教職は生涯、試行錯誤の繰り返しである。常に自分との闘いをしてきたに違いない名選手の一言は、心にストンと落ちた。」
話は変わりますが、先日、河合塾が主催する「対話のひろば、第6回イベント」に参加しました。今回のテーマは、「対話を通して、思考力・判断力・表現力を測る問題をつくろう!-地理編-」というものです。参加者は、高校教員のほかに、文部科学省の教科調査官、大学教授、塾の教員等様々な職にある方で、40人が集まりました。第一部は河合塾講師の佐藤裕治先生が、地理の入試問題を紹介しながら、問題作成のポイント等について解説していただきました。第二部は、集まった先生方がいくつかの素材をもとに、グループで問題作成にチャレンジしました。地理を専門としている先生方が集まり、いい問題とはなにか、学力の識別力があるか、独自性はあるか等々、議論を重ねることができました。よい授業、よい問題を作成するために、全国の先生方が頑張っている様子をみることができ、刺激を受けました。まさに教員という仕事は、生涯、試行錯誤の繰り返しであることを実感した、楽しいイベントでした。