(校長室より)  「本の著者が、学校を訪ねて授業」(2/18)

 本の著者が学校を訪ねて特別授業をする「オーサー・ビジット」(朝日新聞社主催、出版文化産業振興財団協力)が、2月13日付朝日新聞に紹介されています。今回は作家今村翔吾さんと、ジャーナリスト池上彰さんでした。

 今村さんは、新潟市立五十嵐中学校の図書委員35人と生徒会役員に授業をしました。今村さんは、「小説家には何歳でもなれる」と授業を始め、自分自身が、30歳までダンスインストラクターをしていた経験を話しました。実家が営むダンススクールの講師になり、子どもたちに「夢をあきらめるな」と説きながら、自分は全く小説を書かなかったそうです。教え子の一人に「先生だってあきらめてるくせに」と言われた翌日、講師を辞め、1日の大半を執筆に費やす生活を始めました。今村さんは「夢をかなえるのは難しい。でもあきらめなければ近づくことができる」と、生徒たちに話しました。

 

 教員は、「夢をあきらめるな」「挑戦することをおそれるな」「主体的に生きよ」「深く学べ」などと生徒に指導します。そのように話した時、教員自身が夢をもっているか、挑戦しているか、主体的に生きているか、深く学んでいるか、ということが問われるのです。指導する教員の姿を、指導される生徒は見ています。教員自身が深く学んでいるかどうかを、生徒は見ているのです。

 

 ジャーナリスト池上彰さんは、昨年12月、館林市立第二小学校の6年生に、疫病を追い払う妖怪アマビエのオブジェを見せ、「アマビエの言い伝えがあるように日本にも疫病で苦しんだ歴史がある。奈良の大仏も天然痘が流行した時、聖武天皇が仏教に救いを求め作らせた、とされています。」と授業を始めました。コロナウィルス感染の経験から、世界をどう見るべきか、どんな知識が必要かを考えながら勉強に取り組んで、と子どもたちに話しました。子どもたちは、何故勉強することが必要なのか、ということを池上さんの授業で学んだと思います。