(校長室より) 「オンライン、学べるもの」(7/7)
6月22日から、本校は通常登校となり、全生徒の登校が始まりました。毎日の検温、手洗いの励行、マスク着用、3密の回避などのコロナ対策は必要になりますが、直接教師と対面する授業や実習等を見学してみると、生徒の表情を直接見ながら行う授業も大切だな、と感じます。
7月3日付け朝日新聞では、オンライン授業についての特集が掲載されました。教育研究者の鈴木大裕氏は、こう述べています。「『やっぱりな』。休校を機に進むオンライン化の議論は僕にとって、残念な意味で予想通りでした。オンライン学習そのものはツールに過ぎず、よくも悪くもないと思ってます。問題は議論の前提にある【学び】の観念が、余りにも貧弱なことです。重視されているのは、受験をゴールととらえた【お勉強】ばかり。」学校は人を育てる場所であり、授業はその一部にすぎない。受験準備のためのオンライン授業に疑問を呈しています。
また米スタンフォード・オンラインハイスクール校長の星友啓氏は、オンライン授業の可能性について、こう述べています。「導入したのがオンラインの【反転授業】です。授業で講義を聴いて、授業外で課題を解く従来型を逆転。前もってビデオ教材などで学んでからオンライン授業に臨み、グループワークやディスカッションで効果的に学びを深める。これによって授業の中から共に学ぶコミュニティが生まれてきます。オンラインでは生徒や教師が分断されやすい。意識的に学校でのコミュニティ強化を図るのが成功の鍵です。」
本校においてもオンライン授業(試行)を実施しました。来週の7月17日には、外部講師によるオンライン授業を計画しています。テーマは、「偏差値だけではない、学びと成長のための大学選びのポイント」というものです。外部講師が、直接来校しなくても本校生徒に対しての授業が可能となる、まさにオンライン授業ならではの試みです。授業実施後、内容等について報告させていただきます。