(校長室より) 英語民間試験見送り(12/5)
大学入試センター試験に代わり、2020年度に始まる予定の大学入学共通テストにおいて、地域や所得による不公平が生じる可能性を問題視された英語民間試験の導入が延期となりました。11月27日付毎日新聞で、関西学院大准教授寺沢拓敬氏はこのように述べています。
「文科相は検討会議を設け、今後1年間で4技能をどう評価するか検討するといいます。しかしそもそも【学習指導要領が4技能を育てようとしているのだから、それを入試で評価せよ】という考え方は正しいのでしょうか。まずは高校の授業で適切に評価すべきで、【話す力】【書く力】が入試で測りにくいなら、調査書で見てもよい。いきなり入試につなげるのはジャンプしすぎです。」
寺沢氏は、英語力を伸ばす処方箋として、以下のことを指摘しています。①クラスの規模を小さくする。②4技能指導になじみのない教師に研修機会や授業準備の時間を与える。③教員養成の段階で指導力を育てる。いずれもお金と時間がかかる政策ですが、高校の授業においても、時間をかけて少しずつ改善をしていく必要があります。
文部科学省は公立中高の英語教育に関する調査を公表しています。2017年度の中学3年で英検3級以上の英語力を持つ生徒は40.7%、高校3年で準2級以上の生徒は39.3%となっています。両方とも目標の50%には届いていません。何故子供たちは英語の4技能を学ぶ必要があるのでしょうか。それは大学入試を利用するしないに関わらず、グローバルなこの社会で活躍するために、多様な人々と協働できる能力を身につけるために、必要と思われる技能だからです。